
おおいたデザイン・エイド2019、「パッケージデザインコンテスト」に 参加してみていかがでしたか?
大八木さん 最初は大分市の担当者から声をかけていただき、「そういう事業もあるんだ」くらいの気持ちでした。ただ、既存のラベルデザインは老若男女を意識したものでしたので、30代〜40代の女性をターゲットにした新しいデザインを作ってみたいとも考えていたんです。詳しく話を聞くと、デザイン料5万円という低予算でデザインを作ってもらえること、多くのクリエイターさんからデザインを募集できることなどを知り思い切って参加することにしました。
新しいパッケージデザインの評判はいかがですか?
大八木さん 今回のデザインを含め、これまで自社商品で3種類のラベルデザインを展開してきましたが、井下さんのデザインのおかげで「天然炭酸水YOIYANA」を知らなかった人たちにも商品を届けることができるようになりました。これまでとは違った販路で新たな小売店さんが販売してくれるようになったんですよ。例えば、この事業の一環で出展した「第89回東京インターナショナルギフトショー・第27回グルメ&ダイニングスタイルショー春2020」では、全国に10店舗のアパレル雑貨店を展開する、石川県の「アミング」様から大口受注を受けることができました。また、現在大手コンビニさんとも商談中で、手応えもあります。

最優秀賞を受賞されましたが、制作過程での苦労などありましたか?
井下さん デザインを考えるのに、まず徹底的にリサーチをしましたね。プランの提出までに2度、庄内町阿蘇野の採水場にも足を運びましたし、この「天然炭酸水YOIYANA」を生成する黒岳にも登ってみました。それから競合他社のリサーチもしましたね。「天然炭酸水YOIYANA」らしいと感じるポイントは何なのか考えました。で、ビジュアルイメージは、やっぱり黒岳しかない!と。
パッケージデザインコンテストなので賞を取ることは大切なのですが、その先の商品が売れることはもっと大切なので、そこは大切にしています。
大八木さん 新しいラベルデザインのターゲットは30代〜40代の女性と考えていましたので、井下さんのデザインは、完璧でした。
井下さん クライアントさんからいろいろ制限や修正を言われることもありますが、大八木さんからは、ほぼ自由に作らせてもらいました。(笑)
完成したデザインのどこが一番のポイントですか?
大八木さん 天然の炭酸水であること、それからナチュラル感にこだわっていましたが、それを見事に表現してくれたと思います。
井下さん ボトルの表面だけで、商品の特徴がわかるようにしました。天然炭酸水であること、それから女性に関心の高いシリカ成分が豊富なこともデザインに入れました。

大分のような地方都市ではパッケージデザインの重要性を認識されている企業は少ない気がしますが、いかがですか?
井下さん クリエイターの視点として、企業側に、デザインに対する熱量があるか、またパッケージを完成させる体力があるのかといったことも大切な要素になると思います。
大八木さん いくら良い商品でも、商品の顔であるパッケージデザインが良いものでなければなかなか販路拡大は難しいと思っています。
新しいデザインをなるべく多くの人の目に触れるように努めました。そのことで、様々な方から声をかけていただき、商品を販売したいという声もいただき、正直手応えを感じています。
最後に、今年参加予定の課題提供企業のみなさまに一言お願いします。
大八木さん もしも、何かを変えたいと思っている企業様なら絶対に参加をおすすめします。単独でクリエイターさんを探し、新しいデザインを作るのはなかなかハードルも高く予算もかかります。パッケージデザインコンテストに参加することで弊社を理解してくれる井下さんに出会うこともできましたし、本当に良いきっかけになりました。